出会いは唐突に来た?


カバンへと向かっている人々の中から将を見つけ、
走っている速度を上げ声をかけながら走った。

「将!!!!!!!!!!!」

大勢の人が振り向いたが、将の姿しか入らず
走っている速度を減速せず、硬い地面を跳び箱の
踏み切り板みたいに使い、将に抱きついた。

勢いが有り過ぎたのか、抱きつかれた衝撃に耐え切れず
後ろへと倒れ、今の現状がどうなっているのか
把握できず、片腕で上半身を支え硬直していた。

「将だぁ!!本物の将だぁ、会いたかったよぅ!!!」

力強く抱きつかれたのと、少女特有の高い声が聞こえ
我に返る。
が、現状が信じられない様で

・・・・・ちゃん・・・・」

「そうだよ!会ってないからて忘れないでよ」

「え?だって九州にいるはずじゃぁ・・・」

「功兄が遊びにお出で、て、チケット送ってくれたの。
 将、知らなかったの?」

「えぇぇ!?功兄何も言ってなかったよ」

「じゃあ、秘密だったんだ!驚いた?ビックリした?」

「すっごく驚いたし、ビックリした」

「功兄の作戦成功だね!」

話をし、笑い合い、抱きつかれた人物が幻ではない事を
確信し、お互い再会を楽しみあった。

しかし、会話で人物確認をした人達にとっては
理解しがたい状態での再会に疑問をぶつける。

「いつまでそんなカッコでいるつもり?
 通行の邪魔なんだけど。
 やるなら他の所でしてしてくれない」

お腹が空いてるのか、それとも激しい感動の再会に呆気を
取られたのか分からないが、
嫌味一杯のマシンガントークではなく、
軽めの注意をかける。

「ごめんなさい、翼さん」

抱きついているを離れる様に言い、
差し出されたの手を借り立ち上がった。

「まぁ、いいけどね」

素直に謝られ、言いたかった言葉を飲み込み
抱きついた人物に視線を動かす。

が、見られている当人は考え込んで
何か思い付いたのか、横にいる将に話し掛けていた。

「将、翼さんて飛葉中学校の椎名翼さん?」

「そうだよ」

将に聞いた質問の答えが当人から返り、初めて目があった。
が、一瞬で彼女の視線は翼を離れ将に戻り

「将の言う通りカッコ良い人だね。
 将の横にいる美形さんが水野君?」

動きと共に視線も動かし姿を確認して返事をする

「そうだよ」

「じゃあ、髪に赤いメッシュを入れてるが小岩君?」

「うん」

「小岩君の横で笑って私達の事を見てる人が杉原君?」

「うん」

「将の書いてくれた通りの人達だね」

正解して嬉しいのか将に笑いかけ、次に言い当てる人物を
探そうと視線を彷徨わせていると、声を掛けられた。

「どうして僕達の名前を知ってるの?」

言い当てられた人物、全員が思う疑問を聞かれる

「えっと、杉原君だよね」

「うん。僕は高縄中の杉原多紀。君は?」

「あ!私は九州から来ました風祭です。
 えっと、どうして名前が解るかと言うと、将から送られてくる
 手紙に皆さんの事が書かれていて、それで名前を知りました」

「手紙?」

「はい。週に一回、将が手紙をくれるんです。
 今日のクラブはナニをした。とか
 選抜では自分より上手い人が多いよ。とか
 日記の様な手紙をくれるんです。
 その中に皆さんの事が書かれてるんです」

毎週楽しみにしてるんですよ!

と嬉しそうに会話をしていると、肩から背中にかけて
急に重くなると同時に頭に上から声が降ってきた。

「じゃあ、俺の事も解る?」

「え?えっと、声だけじゃあ解りませんから
 離して下さい」

重さから開放され、振り返ると身長の高い人が立っていた。
顔を上げゆっくり顔を見ると、笑顔で返され、
ボーッと観察し、将に送られてきた手紙に書かれた人と
前に立っている人と一致する所を探す。

1つ1つ、重なる所を探し、人物の名前を頭の中で思い付くが
間違っていては失礼になるので将の方に視線を
向けると、苦笑され、自力で当てるしかなかった。

思い付く名前は1つなのだが、間違っているといけないので
見返しをする様に見始めると、相手は嬉しいのか、
満面な笑顔で答えを待っていた。

相手の絵顔がプレッシャーになったが、今か今か
と言う空気に覚悟を決め口を開く

「・・・・・・藤代さんですか?」

相手の答えを待っていると、抱き上げられて、
自分が相手を見下ろす形となった。

「正解!俺、藤代誠二。よろしくちゃん」

「よろしくです」

自分の視線より下にある人に頭を下げた。
抱きかかえられたまま、楽しく会話をしていると
低い所から声をかけられた。

はナニしにきたのさ。
 一応、部外者立ち入り禁止なんだけど」

「将にお弁当を届けに来たんです。
 翼さんも一緒に食べませんか?」

誘いをするが手にお弁当らしきものを
持っていないに、先ほどから黙ってみていた
水野が声をかけ、自分の疑問を言葉にする。

ちゃん、風祭の弁当は?」

「あそこにあります」

先ほど座っていたベンチを指を刺す。
が、置いておいたハズのお重がなくなっており
焦り、地面に降ろしてもらう為、藤代の肩を叩くが
伝わらず、声を掛をかける

「藤代さん、降ろして下さい」

「やだ」

あっさり否定され、言葉と共に体も動かす

「藤代さん!お弁当探しに行きたいから降ろしてぇ」

「ダメ」

「お弁当!!私の自信作がぁ!!」

必死に懇願するが、降ろしてもらえず叫んでいると

「お探しのお弁当はコレかな」

穏やかな声が耳に入り、目の前には持ってきたお重が
入り、両手を広げお弁当を抱きめた。

「私のお弁当!ありがとう御座います!!」

「どういたしまして。監督に持っていってくれ、て頼まれた
 んだが、なんだか不安にさせたみたいで悪かったな」

「いえいえ、無事あったので大丈夫です。
 えっと・・・・・渋沢さんですよね?もし良かったら一緒に
 食べませんか?」

ほのぼのとした会話が続く中、横から

ちゃん。俺は誘ってくれないの?」

羨ましそうに声をかけられたが

「降ろして、てお願いしたのに降ろしてくれない
 意地悪な藤代さんは誘いません」

キッパリ断られ、訴える様な視線を送ってくるが
ムシをすると視線は将方に行った。

「風祭ぃ〜」

訴える視線と声を聞き慌てて

「藤代君も一緒じゃダメかなぁ」

藤代を庇うと

「将が言うなら良いよ」

承諾が下りると、先ほどとはうって変わり

「という事なら、早く食べようぜ!」

覇気を取り戻し、を抱きかかえたまま
各々が休憩している場所へと走った。

その後に、将、翼、杉原、小岩、渋沢、水野
が続き、到着し

お弁当を広げ始めた。